イオン福岡伊都ショッピングセンター、初探索

,,,,,
先月28日に、福岡市西部では初の大型ショッピングセンター「イオン福岡伊都ショッピングセンター」がオープンした。業界では「モール型」と言われるもので、大型スーパーと専門店が複合した巨大な施設である。JR「九大学研都市駅」という新駅(昨年オープンしたばかりで、駅前にはバス停とタクシー乗り場がある程度)に接して出現した、商業施設面積 43,856平方メートル、駐車台数1,887台と福岡市西部最大級の施設は、やはり“デカイ”。そして、郊外部の低密度集積と農業地区にはさまれるかたちで出現した巨大な塊を前にすると、既に類似の施設を何ヶ所か経験したことがあるとはいえ、東京湾埋め立て地の“展示会場”にでも居合わせた気になる。しかしそこには、高速道路、国道、鉄道という交通インフラと背後圏人口をしっかりおさえた、立地産業としての緻密な計算がしっかりなされていることは言うまでもない。
 (*)http://www.aeon-kyushu.info/

今日、お昼をかねて、娘と友人S君を伴い初探索に出かけたのは、地域商業施設としての可能性なりインパクトを“体感”しておきたいという思いからであった。
細かい点はおくとして、第一印象としては、モール型ショッピングセンターとして見事に規格化されたコンセプトなり店舗構成には、ふむふむと確認することはあっても、驚きとか発見がほとんどないなということがまず第一か。これが安心感につながるか飽きに結びつくか、お客さんの嗜好性やセンスいかんということになろう。二番目としては、均質指向の商品構成と、地元野菜コーナー設置や糸島の物産販売、糸島ドライブ情報紹介など、地域密着指向をバランスさせようという姿勢はよく理解できるものの、巨大センターへの「地域」の取り込みは限定的でまだこれからという印象を受けた。それとも関連するが、第三には、フードコートやレストランの部分には、地域の食を取り入れ、ライフスタイルを提案する等の演出が欲しいと感じた。望むほうが無理と知りつつ、「これじゃ、昼間の社員食堂か、気ぜわしい駅中レストランじゃないのぉ」。
今後とも、ときたま訪れ、定点観測をしながら、大型商業施設の立地がどんな影響を周辺に及ぼしていくか、いろんな目線で見ていきたいと思う。年内には、私の住む志摩町の中心部に、同じく“イオン”が「スーパーセンター」(**)という新業態商業施設としてオープンの計画となっている。こちらは伊都ショッピングセンターと比べると、商業面積25,000平方メートル、駐車場1550台(自動車)と小ぶりに見えるが、既存集積からすればとてつもなく大規模な商業施設である。また、人口18,000人弱の「小さなまち」にとっては、何十年に一度あるかないかの「大きな出来事」だ。この計画が実現すれば、志摩町の暮らしや産業、雇用は予想外のことを含め、プラス・マイナス両面で様々な作用をうけることになろう。
単なる買い物客としてのみならず、広義の利害関係者(ステークホルダー)としても、“イオン”店舗の動向から目が離せそうにない。
 (**)http://www.aeon.info/company/sc/023.html
 (**)http://www.itoshin.ecnet.jp/midashi.htm