「芥屋らくかい堂」について

<芥屋>(けや)
─ 福岡県糸島郡志摩町芥屋は全304戸(2006.4)からなる小集落。芥屋区はさらに「東」「中」「屋床」「峰」「西」「波止」という5つの「組」から構成される。私が属するのは峰組で全28戸。私ら家族は峰組では最新参の“よそもの”である。
─ 「芥屋」の由来はよくわからない。玄界灘の向こうの韓のクニのことばが漢字に置き換えられた可能性もありそう。芥(け)の音を借りる目的以外に、ごみ・ちり・くずを意味する芥(あくた)という漢字をあえて使う意味はないように思う。
─ 個人的には「けや/けやなり」という和語の存在を最近知り、“きわだって,あざやかなさま”という意味であることに、悦に入っている。万葉集には「寒水の心もけやに思ほゆる」という句もあるそうだ。

<らくかい>
─ 漢字を起せば「楽界」「楽会」「楽懐」あたりか。“身も心もやすらかなこと・さま”という「楽」の境地をつねに思い起こし、大切にしたい。

<堂>
─ 「堂」には、“神仏をまつる建物”“多くの人の集まる建物”“客に接したり,礼楽を行なったりする所”の意味がある(大字林)。
─ 芥屋には大門神社、大祖神社、塩土神社、松原神社、建治寺、観音堂地蔵堂、薬師堂、虚空蔵堂、庚申様、天神様、お地蔵様といいた具合にじつにたくさんの神仏がおわします。その他、辻つじの無縁仏を含めると、相当な数の神様である。まさに八百万神。
─ また、芥屋では数十戸単位で集会所をもち、年中さまざまな行事で人々が集い、酒食をともにする。いまどき珍しい光景が見られる地域だ。


こんな「らくかい堂」としての芥屋を一住民として盛り上げていきたい。