この世の知識は“かぶりもの”

「仏教から言えることは、『認知症のことなんか気にするなよ』ということです。どうしたって人間の体は壊れてしまいます。なぜ脳だけ特別扱いするのでしょうか? 脳で処理しているのはこの世で必要な知識だけです。この世の知識や関係性(親子、師匠・弟子、、)は“かぶりもの”で剥がれ落ちるものです。認知症で脳が少し壊れたからといって、心が機能しないわけではないのです。それを理解しないと知らずに罪を犯すことにもなります。死にゆく人が、いらない知識を徐々に捨てることはとても自然な現象なのです。別世界に行ったら、親とか子とかという関係性はどうでもよくなるのです。」

アルボムッレ・スマナサーラ長老法話認知症の人々を理解するために」より


アルボムッレ・スマナサーラ長老の法話ポッドキャスティングのなかに発見した法話である。認知症に関連し、ずっと気になっていた問題(「記憶が瞬間に揮発してしまう世界を具体的にどう生きていけばいいのか」=2006-05-23の書き込み)をズバッと解いてくれる法話を発見。夜中に聞き入ってしまった。「脳と心」の問題をさらりと言ってのける仏教の教えは、現代脳科学の理解よりずっと先を行っている。
これで楽にボケることができそうだ(笑)。(らくかい堂)


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アルボムッレ・スマナサーラ長老→ http://www.j-theravada.net/5-chourou.html