朝日のなかの海水浴場

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連休ということもあり、早朝からバイクや花火の音をはじめ、海水浴客の賑わいが我が家にも伝わってくる。夏は若者の季節だ、多少のことは寛容でありたい。
5時すぎから30分ほど浜辺を歩いてみると、もう泳ぎ初めている若い連中がいるかと思えば、まだ蚊帳のなかで眠りについているファミリーもある。たった今、クルマでついたばかりという父と女の子のペアもある。あるいは、エアコンのきいた車中で朝のささやきあいのカップルも。
朝日のなかの夏の海岸は、とても清々しく自由な感じがいい。「さあ、これから一日が始まる」という歓びに充ちている。朝日、浜辺、海の家、蚊帳の感触、磯の香、吹き抜ける風、鶏の声、、、これらはしっかりと、ここに居合わせた人々の脳裏に記憶として永く印字されていくに違いない。世界は無常に流れ生滅するからこそ、いろんな偶有性を呼び込み、一回限りの模様をつくりだし、瞬間の記憶として定着していく。
まだ5時台だというのに、朝の海岸は目を覚まし、もう元気一杯だ。

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