花火大会がもたらしてくれた梅雨明け

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順延になった芥屋花火大会。開始時刻ぎりぎりまで雨がぱらつくなど、開催が危ぶまれていたが、8時から無事開幕した。3回目の経験である。一昨年と昨年は自宅で鑑賞したが、今回は直近でみようということで、芥屋海岸へ。浜辺から200メートルくらい先に浮かんだボート(サルベージ船か)が打ち上げ花火の舞台、漁港の堰堤が仕掛け花火の舞台である。
浜辺に腰をおろし、目の前で打ち上がる大玉や仕掛け花火は、最高だった。映像と音と振動が織りなす、夏の夜のアラベスク。海面に光が映える様も美しい。
大濠公園その他での花火大会と違うのは、やはり浜辺から見る独特の風情であろう。集まる人の数も決して多くなく(昨日で1万人くらいか)、浜辺にも思い思いにゆったり座ることができる。
もう一つは徹底した地域の手づくり大会であることだ。逆に言うと、協賛金の確保で毎年開催が危ぶまれるという状況のなかでの開催である。全体で合計3,000発の花火が、7つのパートに分けて打ち上げられるが、パートごとに協賛してお金を出した会社や団体の名前がアナウンスされる。建設会社や酒屋はもちろんのこと、セブンイレブン野北店、芥屋郵便局、芥屋漁業協同組合、朝日水産、夕陽&芥屋(物産販売所)、志摩の四季、愛ちゃんうどん、クリーン彩花(お隣さん)、などおなじみの名前が次々に繰り出してくる。傑作なのは、スナックあけみ、ヘアーサロンまさこ、といったところも要所要所に顔を出すといった具合で、小さなお金をこまめに集めて実現した花火大会であることが手にとるように(ママの顔が浮かぶように?)わかることだ。
それから、普段は駐車場となっているところに立ち並ぶ露店の賑わいもなかなかのものだ。こんなにたくさんの露店が出るとはつゆ知らず、その一角に立ちこめる人いきれ、焼き物のニオイ、夏祭りならではの色彩と燭光に、いたく感激してしまった。来年も庭先鑑賞ではなく、きちんと浜辺まで足を運び、露店遊びもすべきであることを確信した。
いずれにせよ、長雨のうっとうしさを吹き晴らしてくれるような、気持ちのいい花火であった。ついでながら、心の病いと向き合い、我が家で起居しながら心身の再構築にあたってきた姪に対し、大学病院の主治医から「快癒宣言」がなされた記念すべき日でもあり、二重三重にうれしい一時であった。

(明けて26日は、早朝より快晴、梅雨明けとなった模様である)

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