台風の通過をひたすらに待つ

テレビの台風特集をみると、台風が九州西海岸を伝って着々と芥屋岬に近づいているのがわかる。しかし、いま現在は雨も風もやみ、不思議な静けさの中にある。雨戸を締め切り、台風が過ぎゆくのを待つ。
しかし、被害に遭われた方々には申し訳ないけれど、台風という自然の巨大なエネルギーは、心のなかに不思議なざわめきを呼び起こす。子どもの頃の不安と興奮の綯い交ぜとなった記憶は、今もしっかりカラダの底のほうに生きて存続していることがわかる。こういう時は「息をひそめて」と書くのが大人だろうけれど(笑)、サッシ戸をあけて雨足のチェックをしたり、停電用のロウソクを用意したり、ニュースをチェックしたりと落ち着かないことこの上ない。
最近、我が家のメンバーとなった姉弟犬「カキとクリ」も、1歳に満たないこともあって、風の音に呼応して遠吠えをあげ、激しい雨のなかを元気よく飛び回っている。自然のエネルギーに「野生の思考」で向き合い、意識を喚起し存在をアピールしているのだろう。そのストレートな表現は、彼らのほうがよっぽど正直で(笑)、見ていて気持ちがいい。
こう書くうちに、再び風が出てきた。海岸沿いに北上する台風は、やはり玄界灘に突き出た岬の住民にとって、大きな緊張を強いる。夕方近くの「芥屋区放送」では、明日の敬老の日のイベント中止とあわせ、公民館への避難も可能であることを告げていた。何事もなく過ぎ去って欲しいものだ。(21:10)