禅寺でのひととき

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息子を空港まで送った後、承天寺で開催されている「博多織求評会」に立ち寄った。このイベント、博多織発祥の地でもある承天寺において、博多織の全織元が一年間で織り上げた代表作を集め、全国の商社や問屋、デパート関係者等を集めて評価してもらうというもので、ふだんは静かな禅寺がきらびやかなギャラリーに一変する。こうしたセッティングじたいなかなかお洒落だ。そして何より、博多織デベロップメントカレッジの学生さん4名の作品が参考出品されるというので、ひさしぶりに着物を来て出かけたという次第。
人間国宝・小川規三郎さんをはじめとするプロの作品に混じって、4人の作品も堂々とそれぞれの感性と博多織にかけるう思いを表現していて、「わずか半年余でここまでくるとは凄い」とうなってしまった。また、着物姿でカレッジや作品の紹介、抹茶の給仕などをてきぱきと行っている学生諸君(いずれもうら若き女性なり)を行っている立ち居振舞いを見ながら、こちらのほうが力をもらってしまった。彼女らは博多織という手仕事の世界において、着実に人となりもあわせて磨きつつある。
承天寺は、うどん発祥の地でもある。境内でふるまわれていた「中世博多うどん」もいただき、石庭をながめたりしながら、2時間あまりをゆっくり過ごすことができた。