承天寺に初参禅

きょうは朝5:45に家を出て、博多織求評会の会場となった博多駅そばの承天寺に向かい、初めて参禅した。いくつかの思いがあって以前から一度訪ねてみたいと思いつつも、タイミングを見出せないでいた。承天寺は764年前に聖一国師が開いた古刹で、「勅賜禅寺承天寺」というのが正式な名前である。
6:30ちょうどに、門をくぐり、住職にご挨拶をし、お堂に通してもらうと、博多織デベロップメントカレッジの村田さんが、廊下で既に雑巾がけを始めていた。古参の参禅者に一通りのことを教わり、裸足となって30分ちかく、廊下や縁側の雑巾がけを行った。朝の勤行という感じで、清清しい気分である。何より、広々とした境内で、既に十分に磨かれた床をさらに丹念に磨くという行為そのものが、気持ちを鎮めるのにほどよい効果をもっていることが体感できる。
7:00より住職の入堂とともに座禅開始。ひたすら呼吸を整え、うすらぼんやりとした境地への扉を開こうとするが、鳥のさえずりや車の騒音など様々な音が耳に入ってきて、意識や妄想を刺激してやまない。そうこうするうちに最初の30分が過ぎて、1本目が終了。
2本目は座布団をもって、境内の好きな場所で行ってよろしいということで、波が描かれた石庭をのぞむ縁側に移動。
5分の休憩の後、ひんやりとした外気と朝の光をたっぷり浴びながら、2本目の座禅を開始。足の痺れと痛みで、2本目のつらいこと(笑)。1本目とは雲泥の差のスタートとなった。それでも、不安定となった呼吸を整えるうちに、足の痛みは不思議と失せていった。その変化をカラダで感じつつ、外気や環境の中に溶け込んでいく余裕が出始めたかなという時点で、終わりの打鈴がなった。「えっ、もう?」というくらい、あっというまの30分であった。時間はけっして均質ではないことを実感。
終わると、足の痺れをとる間もなく、皆さんソクサクと座布団を片付けを始められる。このあたりが、禅経験の浅い、トウシロとの大違い。さすがと感心しつつ、本尊に向かって合掌・礼の後、足をかばいながらお茶会の間へ。
そこで、カステラをおともに温かいお茶をご馳走になりながら、30分ほど、この寺の歴史などの話を伺った。お茶が終わると、それぞれに寺を後にした。全体で2時間ちょっとの勤行は、足首あたりにしっかり痕跡(痛み)を残したが、それを含めて不思議な充実感をもたらし、今日は一日、気持ちよく過ごすことができた。禅は奥が深い。

 *承天寺http://averse.hp.infoseek.co.jp/kan/ka006.html