新しい講義のスタート

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承天寺 7日早朝)

師走よろしく、この年末に2つの講義をスタートさせる。リベラルアーツ講座「感性・こころ・倫理」、実践プログラム「KIZUKI-創造への扉を開くために-」の2つである。いずれもユーザーサイエンス機構で育んできた問題意識をベースに、同僚・友人たちの支援・協力を得て、オムニバス方式で開講する。
教育をめぐる論議がかまびすしくなるなかで、大学でも教育改革をめぐる論議と試行がさまざまに行われている。もちろん、教育や学びの当事者が人間である以上、そう簡単にはいかないよという部分と、ちょっとしたきっかけで変化の波が一気にひろがる部分の両面がある。しかし、変化や進化というのは、それがどこでどう弾けていくか、やってみないとわからない側面が強い。と割り切ってのスタートである。けれども、新しい視点や考え方をいろいろ取り入れたつもりだ。
「感性・こころ・倫理」の皮切りは11日(月)、ドキュメンタリー映画地球交響曲(第四番)』の鑑賞から始める。この映画は、以前から大学でぜひ上映したいと思っていたものだけに感慨無量である。講義については、11日に限らず、ぜひとも受講したいという方には、モグリ学生(笑)として参加していただいて結構ですとお伝えしている。今回のような講座の場合、社会に対し、オープンに開かれた場のありようがとても重要である。そのためにも多様性という名の空気を積極的に取り入れ、そのことを学生たちにも感じて欲しいと思っている。


リベラルアーツ講座「感性・こころ・倫理」への呼びかけ(講座ポスターより)
 いま我々はとても難しい時代に生きている。「よりよく生きる」ために、この時代の困難にどのように向き合っていったらいいのだろうか。そのための問いとヒントを探り合う場として、「感性・こころ・倫理」という横糸を通したベラルアーツ講座(全学府共通科目)を起こすことにした。
 細分化・専門化する一方の現状の学問や科学技術のままでいいのか ─。脳科学生命科学が切り拓きつつある新しい知の地平を、教養や応用倫理としていかに取り込んでいけばいいか ─。自分をつくりかえ、そのことを通して世間との関係性を変え、世界の見かたを組み替えていく契機を、受講生の皆さんと共に創り出していきたい。
 学びの場を「劇場」とせんがため、教室をあえて大学の外(アクロス福岡 円形ホール)に設定した。単位取得にこだわらず、一人でも多く、一回でもいいから足を運んで欲しい。

*講座概要→ http://mail.rche.kyushu-u.ac.jp/%7Ein-kyotsu/no8.html