ひとりひとり、いろいろで、まる。


NPO法人 まる」がソラリアプラザ1Fゼファで開催している“maru works vol.4”を観に行った。福祉作業所・工房まるのメンバーの創作風景やイベント模様の写真60点を中心とした展覧会である。そして、メンバー作品を等身大でかたどった段ボール人形も20体、賑やかに立ち並んでいた。ボクが行った時はあいにく人通りが少なく、展示を観て回る人もいなかったが、天神のど真ん中での不思議な空間の出現に、会期中、多くの人が足を止め、何かを感じ取っていくにちがいない。これまでの、「福祉」の発想や固定観念にとらわれない表現の数々はなかなかに素敵で、展示(見せかた)にしても工房まるは腕を着実に上げてきている。
なかでもよかったのは、「my place, my voice, my life(ひとりひとり、いろいろで、まる。)」というタイトルとともにあった、maru works のメッセージだ。my place, my voice, my life という理念が、次のような数行の言葉で綴られていた。


my place, my voice, my life(ひとりひとり、いろいろで、まる。)
たとえば 今日は何を食べようとか 何を着ようとか 思いをめぐらせてみたり
手にした給料に喜んだり 仕事の失敗にへこんだり 好きな人を思ったり
毎日は、ごくごくふつうなコトの積み重ね
ひとりででることまれば ひとりじゃできないこともそりゃあるわけで
そこんところは ひょいっと手を貸しあったりすればいい。
ふうつのことをふうつに楽しみたいもんだ
ふつうに思う、われわれなのです。


さまざまな人間や動物たちが共生していくことのできる社会のありかたを、アートとして表現し発信し続ける「工房まる」。小さく弱い存在であるからこそ、まるの創作物にはどれも変革に向けたしなやかな意志と願いがこめられていて、ひとの気持ちにしっかり響いてくる。

*maru works vol.4→ http://maruworks.org/news/?eid=370