何が起こるかわからない実践型授業の面白さ



実践プログラム「KIZUKI」の番外・総括討論会を、授業と同パターンの19:00からということで行った(終わったのは何と22:30)。プロジェクトの「振り返り」を行い、経験で得たものをきちんと整理しておこうというよびかけに、ほぼ全員が応じてくれた(残念ながら1名は先約がありとのことで欠席)。“さだっち”が打ち上げ会の残金で、飲み物、おつまみ、お菓子をたっぷり買ってきてくれた。
しばし、雑談の後、チームワークとして、うまくいった点・いかなかった点・それぞれの理由といったことを各チームで議論してもらった。例えば、チームづくり・場づくりという点では、「否定的な発言をしない、といったチームルールをはじめに決めていたのがよかった」「メンバーの個性に応じた役割分担がうまくいった」といった積極評価から、「各回はじめに前回の振り返りをきちんとやっておけばよかった」「発言の記録をもう少しきちんとっておくべきだった」といった反省まで、様々に書き出されていった。そして、まとめの中味はもちろんであるが、まとめ作業にチームの個性がすでに形成され、ポストイットの使い方、まとめ方がそれぞれ異なっているのが相互に比較して面白かった。
次に、ゴールにいたるまでの時間軸にそって、モチベーションレベルがどう変化し、下降や上昇のきっかけとなったのは何であったかを議論してもらった。これが非常に面白かった。まずは、各個人で、モチベーションの推移を曲線もしくは数値で書き出し、その理由を披瀝しあい、それをもとにチームのモチベーション曲線として合成していった。この曲線をみると、ゲスト講師として来ていただいた加留部さんの「合意形成ワークショップ」においてポストイットの効果的な使い方を覚えたことで、チームとしてのコンセプト開発に拍車がかかっていったことが共通して指摘されていており、ファシリテーションがいかに大切かを改めて知らされた。加留部様様である。あとは、最後の形が見えるまではスランプに陥ったものの、「やるしかない!」と互いにラストスパートをかけるなかで、チームの団結が高まっていったこと等が曲線に書き込まれていた。
最後は、個々人の意見を聞いておきたいということで、「今回のプログラムを受講する前と後で、あなたのなかで何か変化(学び)はありましたか」といったアンケートに自由記入してもらった、「地域のことやデザインの重要性について考えるきっかけ」をつかみ、「一人一人の考え」「人の意見に耳を傾ける」ことを大切にしながら、「チームで学ぶ」「合意をつくる」「チームでの力を最大限引き出す」「自分で面白くする」ことをつかんでいったという受講生の振り返りの言葉は、ファシリテーター役としてとても嬉しく思った。なかには、この授業を受けたことを契機として、将来の職業選択を考え直すようになったという意見もあったりして、責任重大である(笑)。
いずれにしても、番外編を含め、計9回の授業は、あっという間に終わり、ファシリテーターとしても充実した時間を過ごすことができた。と同時に、実践型・体験型授業の裏方編集人として、まだまだ学び、ワザを磨くべきことが多いことを痛感させられた。
そして、受講生の1人が「KIZUKIを通して築いた関係を大切にしていきましょう!」とmixi(ミクシー)のコミュニティー結成を呼びかけ、今後、mixiを活用して飲み会をはじめいろんな交流で縁をひろげていくことになった。また、学生2人からは「マイミクシー」へのお誘いを受け、ついにミクシー・ワールドへ本格参入することになった。mixiはどうもニガ手で毛嫌いしていたが、しばらくは若者コミュニティーの片隅で(笑)遊ばせてもらうことにしよう。