きもの博多一十の開店祝いに

岡野のスタッフ一同
博多織「千年工房」を展開する(株)岡野が中洲川端地区に博多織専門店「きもの 博多一十」を近く開店するというので、それに先立つ特別内覧会とあわせて「博多人形能」をオープニングイベントとして催すというので、カミさんと帰省中の娘を伴い出かけた。
内覧会には、きものをピリッと着こなし参加した人びとが大勢いて、きもの文化が着実に復権しつつあることが実感できた。母とセットで久しぶりに着物をきて参加した娘も、きものファンが集まり(はっきりと自己主張される方が多い)、賑やかに談論するのを端から見て、こうした場と楽しみかたがあることを認識したにちがいない。
博多人形能」であるが、笛方・小鼓方・大鼓方が音を奏でるなか、能を代表する曲である井筒をかたどった人形に灯明が当てられ、その影がバックのスクリーンに映し出されていった。博多人形と能のコラボレーションは初めての試みであるという。影絵のほうがちょっと小さすぎた嫌いはあるが、なかなかに幻想的だった。博多織の世界に革新を持ち込み続ける岡野社長らしいセッティングである。しかし、パーティの際に大鼓方の白坂さんに、「なかなかよかったですね」と水を向けると、「中途半端で不満足です」ときっぱりとした意見が返ってきた。博多人形能楽というそれぞれに伝統をもつ2つの世界が、そう簡単にコラボレーションを行い、がっぷり四つに組めるわけがないとうのが不満の理由とのこと。プロの厳しさを改めてうかがい知ったような気がした。
「きもの 博多一十」のほうは、9月20日に正式オープンである。これに加え、(株)岡野では東京・青山にも来年早々に出店の準備中だそうで、創業110年博多織元・岡野のアクティブな展開が大いに楽しみだ。


きもの 博多一十→ http://www.e-avanti.com/mitemite/eye/item/4887

井筒を舞った博多人形の前で娘はるか