子どものQOLを高めるための新しい学問に向けて

 
 「チャイルド・ライフ・スペシャリスト」という仕事を医療の現場において広げていこうという取り組みが、日本においても遅ればせながら始まっている。唯一無二のかけがえのない存在である子どものQOL(生活と人生の質)を、子どもの感受性をベースに問い直し、高めていこうというものだ。子ども学連続講座 vol.05 は日本で数少ないチャイルド・ライフ・スペシャリストの一人、藤原彩さんの話だ。

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子ども学連続講座vol.05
「入院している子どもと家族とともに」
ーチャイルド・ライフ・スペシャリストという仕事ー

●日 時: 2007年9月27日(木)18:30−20:30(開場18:00)
●会 場: アクロス福岡 1F 円形ホール
●定 員: 100名
●参加費: 無料(事前申込み不要)
●主 催: 九州大学ユーザーサイエンス機構子どもプロジェクト・財団法人アクロス福岡

●講演内容
チャイルド・ライフ・プログラムは1950年代から北米を中心に、入院している子どもとその家族のQOL(クオリティー・オブ・ライフ)を高めることを目的に発達してきたプログラムです。
チャイルド・ライフ・スペシャリストは子どもを「ひとりの尊厳ある存在」として捉え、入院している子どもたちと病気や治療に関する話をしながら、医療関係者に子どもの視点、親の思いを代弁する役割を担います。
現在、日本においてチャイルド・ライフ・スペシャリストとして勤務する人は僅か16名。そのうち2005年より活躍されている藤原彩さんに、入院している子どもたちとの関わりやチャイルド・ライフ・スペシャリストの役割についてお話を伺いながら、「子どもと医療」というテーマについて一緒に考えていきたいと思います。

●構成
第1部:藤原彩氏レクチャー
第2部:対談 藤原彩氏 × 目黒実(九州大学ユーザーサイエンス機構 特任教授)

●講師のプロフィール
チャイルド・ライフ・スペシャリスト
藤原 彩(ふじわら あや)

2001年3月に広島大学大学院教育学研究科博士課程前期(幼年期総合科学専攻 幼児教育学講座)修了。修士論文に関わる研究の中でチャイルド・ライフに出会い、大学院修了後に渡米。2003年12月にアメリカ合衆国Illinois State University大学院 Family and Consumer Science専攻Child Life Course 修了。シカゴ近郊のLutheran General Children’s Hospitalにて640時間超の実習を終了し、2004年にCertified Child Life Specialistとなる。2005年3月より広島大学病院においてチャイルド・ライフ・スペシャリストとして勤務。2007年5月より県立広島病院においてもチャイルド・ライフ・スペシャリストとして週に1度の勤務を開始。


●お問い合わせ
九州大学ユーザーサイエンス機構子どもプロジェクト
電話 092-642-7264
FAX 092-642-3825
http://www.kodomo-project.org/


●「子ども学連続講座」とは・・・
子ども学連続講座では、「子ども」という視点を通して、あらゆる分野へつながる未来へのビジョンを創ります。従来の学術畑からだけではなく、「子どもに関わるさまざまなシーンで今、現在もっとも輝いている実践者=マスター」たちによるスピリットあふれるセッションが展開され、年齢・職業・地域を問わず、「子どもに関心を寄せる学び手=スカラー」を受け入れます。行われるのは、「授業」ではなく「セッション」。従来の「講師が教え、生徒が学ぶ」という一方通行の関係ではなく、「スカラー」と「マスター」が、交流の中で、新しい智慧を発明していくスタイルのスクーリングです。