菜の花 1万8千株を植える

ビオトープの向こうが菜の花畑
このブログででも案内した芥屋地域づくり「菜の花プロジェクト」がスタートした。まずは苗植えである。町内外から40名近くが参加した。同僚の加藤君とその家族(奥さんと凜ちゃん、澪ちゃん)も、週末家族行事にもってこいと急遽参加してくれた。
開始の10時にちょっと遅れて会場につくと、引津湾を望む約1ヘクタールでは既に苗植えが始まっていた。まずは受けつけを済ます。すると菜種油の4合ビン1本が渡された。7月には油絞りをやって、最後はここまで行きますという予告編だろうけど、少しサービスしすぎかも(笑)。そして「えっ、もらっていいの!」なんて言ってると、受付デスクの前にあるログハウスのオーナーから、暖かいコーヒーがどうぞとサービスされた。今回プロジェクトの参加者を後方から支援するために、勝手にやってやっておられるとのこと。聞くと、神戸や新潟の震災の際に、「ボランティアをケアするボランティア」をされた経験をお持ちだそうだ。その心意気が嬉しい。受付前のビオトープもログハウスオーナの作品だそうだ。
今津湾(上方)をのぞむ菜の花畑
作業はというと、芥屋地域づくり推進協議会の会長である佐田さんが、予めトラクターで整備されていた1ヘクタールの遊休地に、穴を空け、30センチ前後に育った苗を植えていくというもの。穴空け・苗配り・苗植えに分かれて作業分担し、苗植えされた畝を少しずつ増やしていく。こう書くと簡単そうだけれど、慣れない姿勢でモクモク作業をやっていると、そのうち腰が重くなり、ふくらはぎや太ももの筋肉も疲れてくる。その点、佐田さんをはじめ百姓仕事をされている方々は、一定のリズムをたんたんと作業をすすめられ、お見事である。

かなり疲れたところで、お昼は畑の目の前・引津湾でとれたカキを、みんなでワイワイ焼いて食べる焼きガキ大会となった。そして、昼食後も畑に戻り、用意された1万8000株の苗をほぼ植え終わり、14:30頃に終了となった。
加藤一家
3月には花芽の摘み取りができるまでに成長するという。海をのぞむ畑にひろがる一面の菜の花は、想像するだけでも楽しくなる。そして、土にふれ、苗を植え、菜の花の成長ぶりを楽しみとして葉の花畑を訪れ、地域の人間とまちの人間が交流しあうというのは、なかなか素敵な構図だ。加藤君によると、凜ちゃん・澪ちゃんの二人は、初めての経験であることもって、最初は戸惑いがちであったのが、しだいに土にも慣れ、しまいには作業のコツをのみこんでいって、生き生きとした表情に変わっていったという。細かに計算されパッケージされたイベントに「お客さん」として単発で参加するイベントと異なって、目に見える成果を季節の移ろいのなかで体感できる「農型プロジェクト」の醍醐味がそこにはある。菜の花を植え・収穫し・油をとるという体験は、二人の子どもたちの脳裏に、しっかりと記憶として残っていくにちがいない。亡くなった松本元さんの『愛は脳を活性化させる』をもじって言えば、「農は脳を活性化させる」である。

 *芥屋 菜の花プロジェクト→ http://d.hatena.ne.jp/rakukaidou/20071123/p2