SunSetLive ─ 夏の終わり

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夏の恒例イベントとなったSunSetLiveが、1日(金)・2日(土)・3日(日)の日程を終え、無事終了した。芥屋海水浴場を会場に、3つのステージで50近いバンドやチームが出演し、3日間で2万人もの来場者があるというビッグイベントである。とりわけ最終日の今日は、当日券も完売、駐車場を探すクルマの列で、ふだんは静かな芥屋は異常なごったがえしであった。“むら”の人口密度が30倍くらいにハネあがった感じである。
このライブ、今年で14回目を数え、有名バンドが数多く出演することもあって、全国的にすっかり名が知れ渡っているという。札幌から来た若い女性グループとか、大阪からバイクでかけつけたライダーとか、じつに様々だ。日帰り直行バスも、小倉、久留米、熊本、長崎、鹿児島との間で運行されるなど、すさまじい集客力である。
もちろん、これだけのイベントが気にならないわけわなく、昨日は会場の隙間からちょっとだけ“もぐり”をやらせていただき、ほんの少しだけ(笑)楽しませていただいた。ただ、プログラムを見ても知らないバンドばかりということもあって、気になるのはお客さんの入りとかノリ、スタッフさんたちの動き、出店の繁盛ぶりといったことばかりで、悲しいやら淋しいやら(笑)。
で、“視察”の後は、ビールを飲みにレストラン志摩へ。ライブ会場とは隔絶されたいつもどおりの静かなレストラン(というよりスナック)がそこにはあった。それで、ついついお節介で「ライブの連中はここまでは流れてこないんでしょうね?」と水を向けた。すると、善正さん(オーナー)の顔が急にニンマリとして、「ライブが引けたら、連日、ミュージシャンやバンドメンバーの打ち上げで、夜中までタイヘンなんですよ」。そうなんだ、この3日間はレストラン志摩にとって年に一度のハレの“祭り”なんだと即座に納得した。そうこうするうちに、演奏を終えたミュージシャンやバンド関係者やらがちらほらと集まりかけたのをみて、商売の邪魔をしてならじと早めに退散したという次第だ。
このSunSetLiveが夏の終わりを告げ、芥屋にはまた静かな時間が戻ってくる。季節の風物詩となった感すらある。惜しむらくは、主催者の思いとボランティアの参画による手作り企画としてここまで大きくなったイベントを、地域が一体となった取組みとしてもっと素晴らしいものにできないかとの思いが募る。そのためには主催者に来年から、地元の人間はライブ会場に自由に出入りできるようにして頂けないものだろうかと思う(アメリカの地方でのイベントでは地域とのパートナーシップのためによく行われる)。ふだんはライブとか“近頃の音楽”に全く縁のない住民も、特別に出入りできるとなれば、「うちの“むら”のイベント」として自慢のタネとなり、来場者へのホスピタリティにもつながるはずだ。地元の人間も、これだけのイベントが芥屋で行なわれていることの意味にもっと気づき、地域活性化の積極的な契機として取り込むことが必要なように思う。
きょうは、福岡市内からやってきた3組の友人たちとも会場周辺でばったり出会った。それだからというわけではないけれど、来年は“視察”でなくて、ライブを楽しみ盛り上げる側の人間として参加したいと思った。

 *SunSetLivehttp://www.beachcafesunset.com/index2.htm