全員参加方式の芥屋区総会


芥屋区の総会があり、総会会場として最後のお勤めとなる芥屋区公民館へ。神社(塩土神社)の境内にある自治公民館は、相当に年季が入っていて、かつては農産物の集荷場もねていたという建物である。僻村の分校というイメージで、「二十四の瞳」にでも出てきそうな雰囲気だ。開始にちょっと遅れて入ると、集会場は110名弱の参加者でぎっしり埋まっていた。芥屋区300世帯のなかで50世帯が自治会組織(5つの組で構成)に未加入というから、250世帯のうち110世帯の参加というのは、相当な参加率だ(欠席の世帯は委任状を提出)。
議案のほうは数日前に各戸に届けられ、各人はそれをもって参集。総会のほうは、総会宣言、開会のことば、区長挨拶、議長選出、議事録書名人及び書記任命、議事、その他、来賓祝辞、開会のことば、ということでフォーマルに執り行われた。持田福身区長をはじめ役員の皆さんはいつもと異り、背広・ネクタイでばしっと決めておられ、まさに「芥屋区議会」といった感じである。議長は我が家の塀工事や改修でお世話になっている左官の吉村勉さん。以前から全員参加方式の直接民主主義で議論をし、コトを決めていたのであろう、その面影というか、風情がいい感じで漂っていて、タイムスリップしたような気持ちになった。
総会の最大の議題は、新公民館の建設にからむ、追加予算承認の案件であった。当初、7,770万円の予算で計画していたのが、計画変更等が余儀なくされたということで、100万円の追加予算をお願いしたいというものであった。これについて大方は、「諸般の事情で仕方ないか」ということで、特に異議は出なかった。しかし、古い公民館の解体(200万円かかる)をどうするか、100万円を公民館建設に追加出資すると区の貯金は300万円しか残らなくなるとかといったことが話題に上り、少々長丁場のやりとりとなった。
建設にともなう不足金については、公民館解体をしばらく措いて費用を捻出するという役員提案に対し、世帯1万円前後の寄付で集める、建設ローンを追加するという選択肢が出された。いずれにしても、結構な負担が各世帯に回っていく。これについては、その場では決めず、それぞれの組で十分に意見を出し合ってほしいという柴田重人・建設委員長の采配で、総会での議論は締めとなった。こんな時、都市部ではおカネ(自己負担)にからむだけに、賛成・反対で収拾がつなかい事態となろう。けれども、ここでは問題解決に向け、上手に合意形成をしていこうという雰囲気があって、コミュニティーとしての成熟が感じられる。ちなみに、新公民館の完成は6月末の予定である。
また、議案として「芥屋自警団」の設置についての提案もあった。昨今、区域外に仕事に出ている消防団員が増えたために、昼間に火事でも起こると、消防団メンバーの若い人たちだけで地域を守ることが難しくなったことを受けての提案である。地域で仕事(農業・漁業・サービス業など)をされているかつての消防団員が再び、自警団として芥屋区のために出動されることになったというわけだ。提案説明に際して述べられた「地域は地域で守る」との決意は、まさに自治精神の発露。お願いするしかない当方としては、ありがたい限りである。