承天寺の怒り(2)

参禅の後、マンション建設問題について情報交換と対応協議。睡眠時間を削りながら策を練り、昼間は関係各団体への説明と賛同取り付けに走っておられるという上方(住職)の話をききながら、改めて福岡市(博多)の歴史における承天寺の役割の大きさに思いを巡らした。「トンでもないことになりました、とにかく現場をみに来て下さい」ということで寺に来てもらうと、人びとは異口同音に「これはヒドイ!」と驚きの声をあげるという。博多区選出の新宮県議も上方の案内で問題の深刻さを理解するとただちに高田副市長に携帯で電話を入れ、現場を見に来てもらったそうだ。
こうしたなかで、先般の説明会において、「計画の詳細については景観室の指導にそって計画内容を再検討した後に、図面を含めてお渡しいたします」と言っていた住宅会社の部長氏が寺に現れ、渡せないと言っていた15階建てマンション計画の詳細図面を置いて行ったとのこと。けれども、支社長に会いたいという上方の要望に対しては会わせることはできないとの一点張りだったそうで、問題をこじれさすだけのその対応の下手さ加減はどうしようもない。こうした問題に際しては、誠実対応が最低限の行動ルールであるはずなのに、一体なにを考えているのやら? 支社長は、北九州市に本社をおく住宅会社の社長の子息(30代)ということで、社内の取り巻きを含め、支社長としての福岡での実績づくりにしか目がいってないのかと、ついつい憶測をしたくなる。
いずれにせよ、「たとえ法的に問題なしでも社会的・文化的には問題大あり」との立場で、博多祇園山笠振興会、寺町ネット協議会等とともに社会的・文化的な包囲網を固め、マンションは絶対に建てさせませんから、という上方の危機感と責任感を押しのけるだけの覚悟と確信を、はたしてT住宅はもっているであろうか。4年後の2011年は、日本における近代演劇の立役者・川上音二郎の没後百周年ということで、長谷川法世さんらが中心となってビッグイベントが計画されているという。その川上音二郎のお墓は、マンション予定地の目と鼻の先にある。音さんの眠る墓地で耳をすますと、今なら次のようなオッペケ節が聞こえますから、どうぞお出で下さい(笑)。


音さんの眠りを起こすマンション騒動
騒ぎの主が「提案します。素敵なくらし」とは
こりゃをかしいねえ
オッペケペー オッペケペッポーペッポーポー


 *川上音二郎http://www.ncbank.co.jp/chiiki_shakaikoken/furusato_rekishi/hakata/015/01.html