玖珠から「メルヘンローズ」届く


昨夜、「宅急便です」という声が聞こえたので外に出てみると、届いたのは「生花」と書いてある大きな段ボールであった。「玖珠町メルヘン大使」を拝命し、5度目の贈り物はなんと「メルヘンローズ」であった。空けてみると、5〜6種類の色鮮やかなバラがぎっしりとつまっていた。毎度、“メルヘン宅急便”を楽しみにしているカミさん、誕生日を8月15日と間近に控えていることもあってか、花束を抱きしめ、「誕生日おめでとー、ありがとう」と独りごちしながら(笑)悦に入ってしまっている。今回のメルヘン宅急便はこれまでになくツボにはまったようだ。そして、早めの誕生プレゼントでよかったねといいつつ、花の数を数えてみると、70本はゆうにあった。年齢より相当多めの数に不思議な面持ちである。
それは、まぁいいとして、贈り物としてのパラは、誰でもまた幾つになっても嬉しいものだ。メルヘンローズは、玖珠の特産品として都市圏にも出荷されている、知る人ぞ知る逸品である。生産・販売は、「ハイテクノロジーと愛の融合」と「技術と感性の融合」の上を行く(笑)コンセプトのもとに、玖珠町の8人の園芸農家が集まって作った会社(有限会社メルヘンローズ)で展開されている、農業ベンチャーである。1990年以来、自分たちで山の上の草を切り、造成をして以来、8人が力を合わせて事業開拓されてきた。まさに、現代開拓物語である。もちろん、現代のバラ事業は、世界的な種苗ビジネスの激しい競争にさらされる形の展開とならざるを得ない。ぜひ大きな成功を収めて欲しいと思う。
幸いなことに、華やかなバラは、誕生日や記念日のプレゼントとして定着した感がある。しかし、従来の「花屋」の範疇にとどまっていては、新しい飛躍が見込めないように思う。じゃどうしたらいいの? とりあえずは異なる要素とのハイブリッド化ということを考えたらどうだろう。例えば、バラと絵本というか、花屋と本屋とが融合した新しいビジネスの開拓である。バラの花が飾られたシーンを念頭に、バラを贈った人の次の行動をどうデザインし、あわせていかに提案していくかという視点である。バラの香りのなかで、贈ってくれた人のことを思いながら、絵本や詩集を開くというのは、ものに託したコミュニケーションのありかたとして、とてもお洒落だ。そのためには、都会にある素敵な本屋さん(ブックスキューブリック!)との提携や絵本関係者(目黒実さん!)とのネットワークづくりなど、新たな模索が不可欠だと思う。
メリー・ハッピィ・バースデイの気持ちを絵本や音楽とともに贈る。こうした感性や心の共感については、人びとは気づいていなだけで、さりげない表現演出やスタイル提案を待ち望んでいると思う。こうしたことが、社会で「かっこいい」と受けとめられるよになれば、贈答のニュースタイルが社会に広がり、バラの愛好者が増えることにもなるはずだ。
「バラをバラをバラを下さい ありったけのバラを下さい 貴方の好きなバラの花で 貴方を貴方を貴方を包みたい」と言ってしまう「百万本のバラ」ふうにはいかないだろうけれど、僕も年に数回は素敵にバラと絵本を贈る人になりたいと常々思っていることを告白しておこう (^0^)。

 *メルヘンローズ→ http://www.marchenrose.com/
 *ブックスキューブリックhttp://www.bookskubrick.jp/