感性価値を考える講座を開講しています

経済産業省との連携講座ということで、現在、次のような講座を開講中です(もっと早くにアップしておくべきでした。喝 !)。狙いは次の口上のとおりですが、その他にも、(1)美術館をメインの会場と位置づけ、「感性」を議論していく「場」としてのこだわりを、メッセージとして発信していく、(2)知識伝達型の講義ではなく、受講者ともに場をつくっていく講「座」としていく、(3)大学の正規の授業(2単位)であるが、一般の方々にもオープンにすることで、多様性にふれる機会をつくりだす、(4)九州経済産業局の職員の方々に毎回、コメンテーターやオーディエンスとして参加していただき、政策担当者もともに考える場としていきたい、と欲張りなことを考えています。
美術館に大学の授業、それも産業経済がらみの授業が出っ張っていくというのは、福岡ではじめてのことだと思います。柳館長の理解のたまものです。おまけに、懇親会としても使わせていただくこととなりました。絵を見た後に、ふらっと立ち寄る感じで、遠慮なくお越し下さい。

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九州大学経済産業省連携講座 "感性の時代"における次世代産業と僕らの生き方


「感性」を軸として、人間の行為や生き方の延長線上に、次世代の産業のありかたを探求していきたいと思う。手元に哲学者・三木清の言葉がある。「人間は環境を形成することによって自己形成してゆく」「我々の行為はすべて形成作用の意味をもっている」「生命とは自己の周囲との関係を育てあげる力である」(『哲学入門』岩波新書)。この言葉を導きの糸として、人間、技術、企業、産業、環境、社会の相互の結びつきを捉え直し、自分目線で次世代産業のイメージをつかみとっていく"きっかけ"をゲストやオーディエンスの皆さんとともに創り出していきたい。

講義の通奏低音は、「感性価値の創造」と「行為としてのデザイン」の2つである。九州における産業現場でのグッドプラクティス(素敵な事例)、ホンモノの実践についてお話をうかがうことを通じ、知識やノウハウを超えた、本質的な学びを得ていくこととしたい。産業の第一線で活躍される方々のグッドプラクティスにふれることで、価値創造の歓びと楽しさを感じとってほしい。また九州が、世界に誇ることのできる感性価値創造の最先端の現場であることを知って欲しい。



*いずれも、17:30〜20:00
*第一部:レクチャー 第二部:クロストーク(ゲスト×コメンテーター×坂口光一)
*講義終了後にゲストを囲む懇親会あり(希望者)。


【終了分】
6/13(金) 志本主義のススメ 
 <アクロス福岡 1階 円形ホール>
 ゲスト:石黒 憲彦 氏(経済産業省 大臣官房 政策評価 審議官)
 コメンテーター:小早川明徳(福岡県中小企業経営者協会 会長

6/20(金) 感性価値創造 − 作・伝・育の作法 
 <福岡アジア美術館 あじびホール>*博多リバレインオフィス8階
 ゲスト:諸永 裕一氏(経済産業省 デザイン・生活政策システム室 室長補佐)
 コメンテーター:石川慶藏氏(佐賀段ボール商会 副社長)

6/27(金) 伝統と冒険 − 和と織のこころ
 <アジア美術館 交流ギャラリー> *博多リバレインオフィス8階
 ゲスト:岡野 博一氏((株)岡野・博多織千年工房 代表取締役社長)
 コメンテーター:九州経済産業局職員


【これから】
7/4(金) 地場深耕 − 焼酎ルネサンス
 <ココロンセンター> *博多リバレインオフィス10階
 ゲスト:中村 鉄哉氏( (株)ルネサンスプロジェクト 代表取締役社長)
 コメンテーター:九州経済産業局職員

7/11(金) 前衛空間 − 情報発信拠点"イムズ"の遺伝子
 <福岡アジア美術館 あじびホール>
 ゲスト:簑浦 英一氏(ABCマーケティング 代表、元(株)イムズ 代表取締役社長)
 コメンテーター:九州経済産業局職員

10/3(金)  観光関係(講師・テーマ調整中)
 <福岡アジア美術館 あじびホール>
 コメンテーター:九州経済産業局職員

10/10(金) 支援と利他から始まる − 産業組織の根源的革新
 <福岡アジア美術館 あじびホール>
 ゲスト:館岡 康雄氏(静岡大学 教授、前 日産自動車(株))

10/15(水) クロージング・ディスカッション
 <アクロス福岡 円形ホール>
 ゲスト:川原 誠氏(九州経済産業局 総務企画部 総務課長)、他